2011年4月22日金曜日

69歳の盟友

ちょっと前、関西エスペラント連盟(以下KLEG)の事務所を訪ねたときのこと。

お会いしたのは二人の大先輩。
二人は同い年で69歳。

一人は大阪の男の方(以下大阪さん)。
一人は京都の女の方(以下京都さん)。
お二人は若いときからの知り合いです。

そもそも、私は大阪さんに会いに、KLEGの事務所を訪れたのでした。
そこにちょうど、原稿の間違い探しのすり合わせに来ていた、京都のさんもいらっしゃったという状況。
わたしは京都さんには、何度かお世話になっていましたが、
大阪さんとは、ゆっくりお話したことがなかったので、その機会を設けたのでした。

KLEGに到着したのは午後2時頃。
着くなり、大阪の男の方は、仕事をおしまいにしようと言い、
私の椅子の向かいに席を移し、話を始めました。
するとすかさず、京都さんも横から私に話しかけてきました。
(京都さんはとても話好きなのです。)
すると、大阪さんは、(それが分かっていたかのように)

「ちょっと黙っといてくれんか」

と、語気を強めて言いました。ちょっとびっくりしました。
京都さんが話し出すと止まらなくなることを知ってはいましたが、
それにしても強い口調。

「私が話したいんや。」

はっきりと大阪さんは言いました。

京都さんはしぶしぶ黙りました。
それでも、京都さんは諦めません。
自分の話す機会を伺いながら、少しでも間が空くと、
それぞれの話題に関連した自分の話を聞かせてくれます。
しばらくすると大阪さんは、強引に話を元に戻します。
おしゃべりさんは休憩。
またちょと間が空くと、
すかさず話し出します。
強引に戻される。
間が開く。
しゃべり出す。
大阪さんはそのうち、「もう黙ってろ!」と堪忍袋を切らすのかとも思いましたが、
そうでもありませんでした。

しゃべりたい衝動を抑えながら、京都さんはメモをとっていました。
話したいことを覚えておくためです。
私と大阪さんの話題が移るたび、京都さんのペンが、走る走る。

そのメモたちは、すぐに花開くことになりました。
KLEGでの話が終わった後、私と京都さんは2人で、
京都さんの所属するエスペラントの例会に向かいました。

その道中、京都さんはメモを順々に追いながら、次から次へと話を紡ぎます。
私と大阪さんがしゃべっていた内容を、違う角度から、時に補足・蛇足を入れて再現しつつ、京都さんの口はとどまることを知りません。
エスペラントの歴史や出来事がどんどん紐解かれていきました。 

京都さんは言いました。
「私と彼(大阪さん)とは、旧知の間柄なのよ。」
その言葉には、
「ケンカはするけれども、お互いはっきり、こころの内をさらけ出せる仲。」
という暗黙の了解が滲み出ていました。
  

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